
ねっとり解説 クイーンズ・ギャンビット3
※重大なネタバレとアレな内容を含みますので
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[00:00] ダブルポーン
ダブルポーンというのは長所と短所があります。ストラテジー初心者ですとその短所にばかり目がいってしまいがち・・・そういうベスの棋風を示しているのかなと思います。
[02:30] ベスがベッドに飛び込む
子ども時代のベスは画面でアクティブに動きます、水たまりを跳んでかわしたり、跳ねるような動きで画面に登場する等。大人になるとすっかり落ち着いてモデルのような登場をします。
[02:40] 服装
おそらく前回のところでマネキン買いした格好ですね。靴も流行りのやつを買っています。いいホテルといい裕福なことが見て取れます。1ドル100円くらいのイメージだとだいぶ物価が違いそうですね。
[03:30] ベニーワット「ルークをセブンスランクに」
これは一つの戦略的勝利を意味します。将棋で例えれば成り駒を一方的に作れてる状態とかでしょうか?セブンスランクはルークにとってヘブンスランクだという英語もありますね。
[03:40] カロカンはだめだ。
シリーズを通してシシリアンが推奨されている世界腺、まあこの時代正しくはフィッシャーとかがいたので当然と言えば当然ですかね。
[04:00] もしナイトを取ったらダブルポーンができる。
彼女がダブルポーンという概念を覚えて、それだけで戦っている中級者イキリみたいなシーンでしょうか?まだこの段階だとレートも高くないですし。
これはMiesesとレシェフスキーが1935年の対局中に出てきた変化の一例ですね。劇中の盤面は違うのですが同じアイデアでQが落ちてしまうよという教えです。
[05:40] S*it
ベスと対局することになった男性の第一声がこれですね。劇中でフランクにこういう単語が使われているのでそれほど悪い意味はなさそうですが、気分は悪いですね。出会い厨のようなタイプはチェス界にはいないのか、劇中で同じ趣味をもった異性を喜ぶ人はなかなか登場しませんね。
[08:40] ソビエト
ベスがロシアについて尋ねると「ソビエトは殺し屋だ、アメリカ人なんて朝食として食っちまうぞ。20年間は勝ててない。」と返答が来ます。ベスにロシアと言わせて、古いチェスプレイヤーがソビエトと返答しているのは趣がありますね。
[09:40] Rudolph
チェス界でルドルフといえばアンナ・ルドルフ、あら可愛い。作中では男性なので全く関係ないでしょうけど。
この手順で黒のベスが勝ちました。
[10:00] 母がベスに契約料を要求
今後もマネージャーとして頑張るから、賞金の何割かをちょうだいということですね。トッププレイヤーの親としてよくある光景かと思います。
[10:40] 戦略
ベスがGMを破りました。16歳前後でGMを破ったのだから相当の強さですね。ちなみに9歳3か月でGMを破ったのがAwonder Liang。現在の最年少記録です。
今回はstrategyが戦略と訳されています。一話目では序盤と訳されていましたね。
[11:27] ギブソン
母が好んでいるカクテルですね
[12:30] ベスはwunderkind
神童という意味なのですが、ベスを褒めるときにこれまでprodigyを一回も使っていません。チェス界においてprodigyは意味を持った褒め言葉で、15歳以下でGMになったものを指すときがあるのです。誤解を招かないように使用を避けてるのでしょう。
[13:30] ボルゴフの記事
モデルはペトロシアンだと聞いてます。N引きが好手になった話などが後々語られてますね。
[13:32] ロシア語を学ばないと
チェスといえばロシア、ロシア語を学んでチェスを学ぶというのは昔のチェス界あるあるらしいです。今ではすっかり英語がなじんでいますけどね。
[14:15] インタビュアー
ベス自身は男性に囲まれてチェスをするのは気にしていないということ。チェスは勝敗の突くゲームだが美しさを求めるゲームだと言ってます。シャイベルさんがチェスを教えてくれたことを熱心に話しましたが、煽情的な記事を書きたがる記者の耳にはとまらないようでした。天才と狂気は紙一重とか、孤児だとか失礼なことを聞きたがる記者を母は厄介に思って追い返しました。
[18:12] 雑誌掲載
一躍人気は出ましたが、可憐な少女がプレイしているということで釣っている記事ですね。彼女のシシリアンについても触れられておりませんでした。
[20:15] trade rooks with
単なるチェス英語だと思ってる諸君!どうやら肉体関係をもつという意味があるらしいぞ。アーバンディクショナリーというとこに載ってたので、普通の辞書には載ってないのかもしれません。
[27:20] 写真撮影
毒舌風チェス(Chess)上達法さんより
なんとなくこの構図を思い出しました
[32;20] 棋譜口頭解説
マーシャルギャンビットを指して、モーフィーがやったようにQをサクって勝ったといってますがなにか元ネタの棋譜があるのでしょうか?マーシャルはモーフィー以降の人なのであのギャンビットのアイデアをモーフィーが持っていたとは思えませんが。あとベニーワッツの事をベスは過小評価していますが、この時点ではワッツのほうが強い。まだベスの棋力が足りないせいで、彼の強さが分かってないのでしょう。
[34:40] ワッツからの指摘
この時代はエンジンもなく、研究友達もいなかったベスは自分のミスにずっと気づかないままでした。相手から指摘されてドキっというシーンですね。
[37:20] ワッツとの対戦 そして敗北
ワッツは試合前にすべての駒を自分で並べなおしています。これは現実の大会でもよく見られる光景で拘りの感じるドラマですね。
序盤はこのように始まりました。ナイドルフBc4ラインということでフィッシャーを想起させます。
ベスは相手にダブルポーンを作らせて、白良しみたいな考えを意固地としてもっているような気がします。
その固定観念をこの試合でぶち壊されたという、成長のきっかけとなるような試合でした。ワッツは試合後にtough gameとベスを褒め称えます。
ちなみに敗勢の時に無言で手を差し出すのは”投了”という意味です。発声することもキングを倒すことも大会中は少ないはずです。